天気予報や避雷針などで対策がされている雷は、普段生活している中では、あまり危機感や恐怖を感じ取りにくいかもしれません。
ですが、キャンプなどで山間部などに滞在する場合は、生死に関わるとても危険な天候になります。
予め、対応策と雷についての知識を把握しておきましょう。
雷注意報が出ているのであれば中止がベスト!~キャンプの心得~
キャンプを計画する上で、天気予報の確認は必須ですが、雷の注意報が出ている場合は予定を見送るか中止するようにしましょう。
雷は、高い位置にある山間部や大きな建造物の少ない海が最も危険と言われています。
なので無理はせずに雷の可能性がある場合は、予定を変更するようにしましょう。
キャンプにおいて天候の把握と予測は必須!
特に初心者の方などは、必ず1週間前から天気予報をチャックして天候の乱れがないか確認しておきましょう。
日ごとに予報は変化するので毎日の確認が必須です。
雷以外でも大雨はもちろん強風の場合も中止をおすすめします。
強風は、「何とかなる」と考えがちですが、山間部などの強風はかなり強く、テントの設営も困難になります。
道具などが飛ばされて、事故につながるケースもあります。
また、雷の予兆として強風が吹くこともあるので油断は禁物です。
注意報などの情報は、気象庁が最速なので、気象庁の情報を確認しておく事も大切です。
・気象庁HP:https://www.jma.go.jp/jma/index.html
雷注意報!1時間先は雷レーダーで、直近は雷雲の動きをチェック!
山の天候は変わりやすく、注意していても急に雷の危険が迫る事もあります。
キャンプ場などで突然雷注意報が発令されることや、雷の発生源である積乱雲が出来る事もあります。
そういった現場での緊急の場合には、雷の動きの分かる雷レーダーを活用しましょう。
中でも気象庁の雷ナウキャストは1時間先の状況まで、10分ごとに更新してくれます。
雷ナウキャストとは
雷ナウキャストは、雷の激しさや雷の可能性を1km格子単位で解析し、その1時間後(10分~60分先)までの予測を行うもので、10分毎に更新して提供します。
雷の解析は、雷監視システムによる雷放電の検知及びレーダー観測などを基にして活動度1~4で表します。予測については、雷雲の移動方向に移動させるとともに、雷雲の盛衰の傾向も考慮しています。
雷ナウキャストでは、雷監視システムによる雷放電の検知数が多いほど激しい雷(活動度が高い:2~4)としています。雷放電を検知していない場合でも、雨雲の特徴から雷雲を解析(活動度2)するとともに、雷雲が発達する可能性のある領域も解析(活動度1)します。
なお、急に雷雲が発達することもあり、活動度の出ていない地域でも天気の急変には注意する必要があります。
出典:気象庁ホームページ (https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder2-1.html)
・雷ナウキャスト:https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/#lat:34.578952/lon:137.153320/zoom:5/colordepth:deep/elements:thns
現場での雷の予測のポイント!
雷レーダーがあっても現場の天候は変わりやすいので、現場の空模様などでもある程度天候を予測する事が大事です。
ポイントをおさえて早めの避難を心掛けましょう。
〇雨が降っていなければ、風に注意!
雨が降っていない場合は、風に注意を向けましょう。
雨が降ってくる前兆として、強い風が吹き込んできます。
〇動きの速い黒い雲の確認!
周辺の空模様を確認し、少し遠くにある雲を確認して黒い雲があれば、雷雲の可能性が高いです。
その場合動きをみて、早い動きをしている場合はこちらに近づく可能性が高いので、避難準備を始めましょう。
〇ゴロゴロと音が鳴りだしたら危険!
ゴロゴロと雷の音が聞こえたら、大変危険です。音が遠くても近くに落ちる可能性はあるので、ただちに非難しましょう。
もしもキャンプ中に雷が鳴ったら?
キャンプ地で雷が鳴った場合は、近くに落ちる確率が非常に高くなります。
理由は普段生活している都市部などより、場所が高い位置にある事や山間部だと近くの木々に落ちやすいからです。
たとえ音が遠くても、次の落雷は近くに落ちる事もあるので音が聞こえだしたらすぐに避難しましょう。
〇安全な避難場所
・車の中(オープンカーは除く)、キャンプ場の避難施設
〇危険な場所
・木の近く
・テントや軒先
・建物が少ない開けた場所
避難施設がある場合は避難施設に、ない場合は車に避難しましょう。
とにかく、屋内か、車の中に避難しましょう。
屋内では、電化製品などからは離れておきましょう。
もしも建物に雷が落ちた場合に、感電してしまう可能性があります。
テントの中や軒先などで待機するのは絶対にやめましょう。大変危険です。
木の近くなども木に雷が落ちた場合に地面を伝って感電する場合があるので離れておきましょう。
間違った知識に気をつける!
金属を外した方がいいや、ゴム製品ならば電気を通さないので、安全などの情報は全く関係ありません。
金属をつけても外しても何の防衛にもなりませんし、ゴムは電気を通さないといっても、雷ほどの膨大なエネルギーを防ぐことはできません。
とにかく素早く、建物や車に避難するようにしましょう。
状況別!雷に遭遇した時の対策3ポイント!
〇早めに雷を察知し、安全な場所に避難する
常に天候には気を配り、落雷の可能性がでてきたら速やかに、安全な場所に避難しましょう。
これが一番確実で安全な方法です。
〇木などからは4m以上は離れましょう
高い木などに雷が落ちた場合、側撃雷と呼ばれる木から雷が伝って周辺にも落雷の影響を及ぼす危険があります。
必ず4m以上の距離をとるようにしましょう。
木だけでなく、軒先や簡易的な屋根のある場所からも距離をとっておきましょう。
〇緊急時は、雷しゃがみ!
突然の雷鳴や近くに安全な避難場所がない場合は、「雷しゃがみ」で安全を確保しましょう。
雷しゃがみとは、出来るだけ姿勢を低くして、頭を抱え込んでしゃがみ込み、両足をそろえて耳をふさぐ姿勢の事です。
この姿勢をすることで、開けた場所での落雷にあう確率を減らし、近くに雷が落ちた場合の被害も抑える事ができます。
雷の対処法については、こちらの記事もご参考にしてください。
キャンプ中の雷による事故例
そこまで多いと感じない落雷による事故や落雷害ですが、夏頃は積乱雲もできやすく、落雷も多くなります。
気象庁の調査でも落雷害の発生の30%が8月に集中しているデータもあります。
落雷害の月別件数
2005~2017年の12年間に気象官署から報告のあった落雷害の数は、1,540件でした。
落雷害のうち約30%(468件)が8月に集中しています。また、発生地域の特徴を見ると、太平洋側で約65%、日本海側約35%が発生しています。
月別に見ると、4~10月は太平洋側で多く、11~3月は日本海側で多いことがわかります。
出典:気象庁ホームページ(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/thunder1-4.html)
夏が雷の落ちやすい季節ではありますが、最近は気温の上昇もあり、秋や冬でも雷が発生しやすくなっています。
夏ではないからといって油断せずに、レジャーを楽しむ場合は必ず天候の確認を行いましょう。
そんな中で実際に起きた落雷事故をご紹介します。
北海道上川町のキャンプ場で落雷
つい最近の事故になりますが、2021年6月15日の午後に、北海道上川町のキャンプ場で落雷があり、建設工事にあたっていた61歳の男性が意識不明の重体になっています。
事故前後は雨も降っており、雨宿りをする為に木の下で休憩していた所、木に雷が落ち、被害に遭われたようです。
出展:NHKニュース
北海道上川町のキャンプ場で落雷 建設工事の男性 重体 #nhk_news https://t.co/75LwaW8a8c
— NHKニュース (@nhk_news) June 15, 2021
長野県松川青年の家での落雷
2005年8月4日 午後3時20分頃、松川青年の家敷地内の炊事棟に落雷があり、炊事棟内の落雷のあった柱の50㎝にいた中学生1人が一時心肺停止状態となり、その後意識を取り戻したが重傷で入院。
その他、引率者2人と児童・生徒5人が耳の不調を訴え手当を受けた。
出展:社団法人 日本キャンプ協会
「安全なキャンプのために(8/20ページ目、落雷)より」
PDFファイル:https://camping.sakura.ne.jp/wp/wp-content/uploads/download/safety7_PDFfile1.pdf
2件とも木や柱に落ちた雷の側撃雷によって被害に遭われています。
自分に雷が落ちる可能性も考えなければいけませんが、周りを見て側雷撃の被害に遭わないように注意する必要があります。
必ず、キャンプなどのレジャーに行く時は、雷などの天候対策知識を身につけておきましょう。
まとめ
〇雷注意報がでた場合は、延期か中止にする
〇キャンプの際は常に天候の状態に気を配る
〇落雷の危険性がある場合は、素早く安全な場所に避難する
雷はどこにでも落ちますが、海や海岸線などの平地が多い場所や、山間部や高地では、人に雷が落ちる確率が上がります。
ゴロゴロと音が聞こえて場合は、音が遠くても次に雷が落ちてくる可能性があります。
音が聞こえる前に避難する事を心掛けましょう。
また、「自分は大丈夫」という油断が事故につながります。
レジャーを楽しむ際には、天候の確認と最低限の知識をもって、安全に楽しめるように心掛けましょう。
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