できる限り子供本人の行きたい高校に行かせてあげたいものですが、公立高校と私立高校では3年間でかかる学費に大きな差がありますよね。
お金のことだけを考えればなるべく公立に…とコッソリ思っていたりしますが、2020年4月からは私立高校授業料が実質無償化されるということで、ちょっと風向きが変わってきました。
これで私立高校入学へのハードルが下がったわけですが、実際には授業料以外にも学費がかかります。
私立はその分も公立より高いんですよね…
授業料が実質無償化になったからといって、ホイホイと私立高校でもいいよ~と簡単には言えないようです。
この記事では最低どのくらいのお金が必要になるのかをまとめてみました。
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私立高校で授業料以外にかかるお金
文部科学省による平成30年度の学習費調査の結果によると、1年間にかかった学習費は、
私立高等学校(全日制)
授業料:230,026円
修学旅行・遠足・見学費:53,999円
学校納付金等:215,999円
図書・学用品・実習・材料費等:42,675円
教科外活動費:56,224円
通学関係費:114,043円
その他:6,085円
これに対して、
公立高等学校(全日制)
授業料:25,378円
修学旅行・遠足・見学費:35,579円
学校納付金等:55,360円
図書・学用品・実習・材料費等:41,258円
教科外活動費:40,427円
通学関係費:79,432円
その他:3,053円
となっていました。
このうち授業料については公立も私立も実質無償化されますので”0”と考えるとします。
(高等学校等就学支援金の上限は39万6,000円となっているので、もしも実際の授業料が上限を越えれば差額は自己負担です。)
それで公立と私立の学費で何が一番違うかといえば、学校納付金等のところですね。
ちなみに学校納付金等の内訳は「入学検定料・入学金,私立学校における施設設備資金及び保健衛生費,日本スポーツ振興センター共済金等の安全会掛金,後援会費,冷暖房費,学芸会費等として徴収した経費」となっています。
まず大きいのが入学料。
公立高校の入学料が5,650円(県によっては5,550円)に対して、私立高校の入学料の平均は163,362円でした。(文部科学省:令和元年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果より)
入学した時の一回限りの学費ですが、この差は大きいですよね。
しかも平均が約16万円というだけで、学校によって5万円のところもあれば50万円のところもあるということなので、金額に相当の幅があります。
(ちなみに入学金が5万円の高校というのは、通信制の学校がほとんどのようです。都内の全日制なら大半の学校では20万円を超えています。)
そしてさらに私立高校だけにかかる費用が、施設設備費等です。
公共施設である公立高校にはない費用なのですが、私立の場合これが年間168,602円という平均値が出ていました。
まあその分、たいていの私立高校の校舎は公立よりもキレイなんですけども。
施設設備費等についても学校によって差がありますので、志望校のホームページや、説明会などで確認する必要があります。
学校によって差があるといえば修学旅行もピンキリですね。
公立高校なら旅行先が海外でも10万円台のところが多いのですが、私立高校なら60万円台まであるのでオソロシイ…
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授業料以外への補助金は?
私立高校は授業料が実質無償化されても、授業料以外の学費も公立高校と比較すると高いので負担が大きいということでした。
それなら授業料以外の費用を支援してくれる制度はないのでしょうか。
これには高校生等奨学給付金という制度があります。
この制度は授業料以外の教育費である教科書・教材費、学用品費、通学用品費、教科外活動費、生徒会費、PTA会費、入学学用品費、修学旅行費等の負担を軽くするために、都道府県が行う給付金に国が一部を負担するというものです。
ですから実際に補助金を給付するのは各都道府県であり、金額や条件などが自治体によって異なります。
また給付は、生活保護受給世帯または非課税世帯(年収約250万円未満)の低所得世帯限定です。
詳しくは「高校生等奨学給付金:文部科学省」
ただこの制度では、例えば平均以下の年収なんだけど、住民税は課税対象なので頑張って払っているという世帯には、残念ながら1円も出ないんですよね。
そういう世帯だって、というかそういう世帯こそ税金納めているのにな…って思います。
まとめ
私立高校の授業料は実質無償化されたので、公立に行っても私立に行っても(限度額以下なら)同じように授業料の負担がありません。
ですが授業料以外の費用は大きな差が残ったままで、
公立が5,650円または5,550円に対して、私立が平均163,362円の入学料
公立0円に対して、私立では年間平均168,602円の施設設備費等
ということで、1年目だと少なくとも30万円以上私立の方が高くなります。
学校によって差が大きいので、事前にホームページや説明会などでチェックしておきましょう。
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