雪国で車を運転することになったらスタッドレスタイヤを用意しなくてはなりません。
もしタイヤチェーンをかけるような感覚で、スタッドレスタイヤも駆動輪のみでいいと考えていたら、それは危険です。
本格的な雪道を走るためには、4輪ともスタッドレスタイヤにする必要があります。
もっとも、タイヤを購入するときに店員さんに指摘されるとは思いますが、二本だけではダメな理由を説明しておきたいと思います。
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スタッドレスタイヤは駆動輪だけでいい?
確かに駆動輪をスタッドレスタイヤにすると、発進することはできるようになります。
問題となるのはその後です。
曲がるときに、夏タイヤがついている方はグリップ力が低いのでスリップします。
前輪スタッドレス・後輪夏タイヤの場合、後ろのタイヤが滑るのでテールスライドやスピンを起こします。
反対に前輪夏タイヤ・後輪スタッドレスの場合、前の操舵輪が滑るので曲がりきれません。
止まるときでは、夏タイヤには制動力が全く期待できず、4本あるタイヤのうち2本だけでブレーキをかけるような状態になります。
(実際の走行でブレーキをかけた時は、車体の前方に荷重がかかりますので前輪の影響を強く受けます。)
制動距離が延びるだけではなく、車の体制も不安定になります。
スタッドレスタイヤを二本だけ装着すると?
FF(前輪駆動車)の前輪だけ、そしてFR(後輪駆動車)の後輪だけスタッドレスタイヤにするとどうなるかの動画がありました。
動画では発進時、制動時、旋回時に、それぞれ車がどうなるかをテストしています。
またスタッドレスタイヤと夏タイヤの仕組みの違いについての解説もありますので、こちらをご覧ください。
国土交通省自動車局審査・リコール課youtube公式アカウントからの引用
自動車のリコール・不具合情報のページはコチラ
テスト走行ではプロのドライバーが運転しているので、コースアウトする時でもある程度コントロールされた動きをしています。
ところが運転者が一般人で、もっと道路のコンディションが不安定な一般道の場合、もっと簡単にスピンします。
交差点でコースアウトしたら、その先は歩行者のいる歩道かもしれません…
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スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの比較
タイヤチェーンは駆動輪に装着するのに、なぜスタッドレスタイヤは4輪とも必要なのかということですが、まずこのふたつには大きな違いがあります。
タイヤチェーンはあくまでも、ノーマルタイヤでは走れない滑りやすい道路を走行するための補助器具なのです。
緊急避難的に一時的に装着するもので、乾燥路面では外さなくてはなりません。
そして装着中も安全のため、金属チェーンでは時速30㎞以下、非金属チェーンでも時速50㎞以下で走らなければなりません。
だから車の安定性が低下しても影響が少ないということになります。
http://irohanihohe.com/1073.html
スタッドレスタイヤはシーズン中はずっと履きっぱなしで、もちろん乾燥路面も走れます。
冬道を走りときも、夏道のようにはいきませんが、車の能力を発揮して安定した走行をするためには4本ともスタッドレスタイヤにする必要があるのです。
まとめ
駆動輪だけをスタッドレスタイヤにすると、走りだせるけど曲がらない・止まらないという最悪のパターンになります。
ちなみに4WD(全輪駆動)の場合は迷うことなく全輪スタッドレスタイヤですね。
2輪駆動とは比較にならないほどの走りやすさがあります。
もちろん冬道が曲がりにくい・止まりにくいことには変わりないので、過信は禁物ですけどね。
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コメント
元タクシー運転手ですが、東京のタクシー会社の殆どが駆動輪しか、スタッドレスタイヤを装着させてくれません、それも年代物のスタッドレスタイヤ、ノーマルタイヤとの差額を出すから4輪共装着して貰えるように要請したが、運行管理者はスタッドレスタイヤの置き場所がないことを理由に、気合いで走ることを要求する前時代的な考え、仕方がないので自腹でゴム製のタイヤチェーンを用意してトランクに積んでいました。
それで万が一事故があっても、ドライバーさんの自己責任、ということになってしまうのでしょうね…
経営側には経営側の事情なり苦悩があるのでしょうが、だからといって安全を犠牲にしてもやむを得ないとは、言えないと思いますが。