今までに知られていた最も黒い物質は、可視光の最大99.965%を吸収する「ベンタブラック」という物質でしたが、マサチューセッツ工科大学の研究者がさらに黒い物質を発見しました。
電気と熱の研究中に偶然発見されたこの物質は、ベンタブラックの10倍黒いということです。
今後様々な利用法が検討されるとともに、さらなる黒のメカニズム解明に期待が高まっています。
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地球上でもっとも黒い物質
これまで最も黒い物質とされていたベンタブラックは光の吸収率が最大で99.965%ですが、新しく発見された物質は光の吸収率は少なくとも99.995%となっています。
ですからベンタブラックの吸収率を約99.95%とすると光の反射率は0.05%、新物資の吸収率を99.995%とすると反射率は0.005%です。
光の反射率が10分の1になりますから、黒さは10倍になるという計算になります。
新しく発見された”一番黒い物質”には発表時点では名前が付けられていません。
ただ、「The Redemption of Vanity(虚栄心の償還)」と題されたアートで、イエローダイヤモンドのコーティング剤として利用されたときには、「ultrablack CNT material」とMIT Newsに書かれていました。
(CNT=カーボンナノチューブ)
熱と電気の実験に使われたカーボンナノチューブが、実験前より黒くなったことに研究者が気付いたことで、今回の発見につながっています。
ちなみに「The Redemption of Vanity」を見たい方はコチラ↓
https://www.the-redemption-of-vanity.com/
最も黒い物質だったベンタブラック
ベンタブラックといえば、ベンタブラックの派生素材で塗装されたBMWが話題になりました。
世界で最も黒い物質、「VantablackR」。
— BMW Japan (@bmwjapan) 2019年9月6日
その派生素材、「Vantablack VBx 2」で塗装されたニューBMW X6が、9月に開催されるフランクフルトモーターショーで世界初披露。
吸い込まれるような漆黒をまとったそのボディは、わずかな光も逃さない。 #黒の日 #X6 #BMW #駆けぬける歓び #vantablack pic.twitter.com/doZcP23H8Q
究極の黒塗料ともいうべきで、これだけ光を反射しないとボディの凹凸が見えなくなってしまいます。
3次元のものが2次元に見えてしまうというほどで、まるで走るブラックホールみたいですね。
一番濃い黒より黒い?地球上でもっとも黒い物質を更新!のまとめ
新素材はベンタブラックの10倍黒いのですが、ここまで黒いとすでに肉眼では区別できないということです。
ですが宇宙望遠鏡などの光学的な利用に威力を発揮するかもしれません。
色々な利用が期待されるのでしょうが、できることなら科学分野や芸術分野など、平和的な利用にとどまってほしいですね。
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