鬼はそと、福はうち!
誰しも幼い頃に、節分の豆まきをした経験があるのではないでしょうか?
豆まきと恵方巻、2月を彩る楽しいイベントですよね。
そして、節分の翌日にやってくるのが立春です。
毎年立春になると、天気予報やニュースで
「まだまだ寒いですが、暦の上では今日から春です」
なんて、よく言われていますよね。
節分、そして、その翌日に立春。
この1日違いでカレンダーに記載されている行事は、
一見セットであるような印象ですが、セットでありながらも意味合いは異なります。
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節分と立春がある意味は?意外と知られていないその真相とは
では、節分と立春が抱える意味はどう違うのでしょうか?節分
文字を見て分かるように、「節分」と言う言葉には「季節を分ける」と言う意味があります。
日本には春・夏・秋・冬と四季がありますが、
四季には、立春・立夏・立秋・立冬と、それぞれの季節の始まりの日があります。
そして、それらの季節の始まりの日の前日は季節を分ける節目・雑節として、
「節分」と呼ばれています。
つまり、もともと日本には、四季にあわせて4回の節分がありました。
そして、なぜ立春の前の節分だけが現在もなお、残っているのかというと、
日本の一年は春から始まるため、特別な日であること。
そして、立春の前日の節分は冬の終わりを表し、
この日が一年の終わりという位置付けになるためです。
一年の終わりは大晦日にあたり、
4回の節分の中で、最も重要であると考えられたために
立春の前の節分だけが今も残っていると言われています。
立春
昔の中国では、月の満ち欠けをもとにした「太陰暦」という暦を使っていました。太陰暦では、新月が満月になり、また欠けていくまでの期間を1か月として
12か月を1年とします。
太陰暦は月を見て今日が何日かを知ることが出来るので便利なのですが、
太陰暦上では、1か月が29.5日という中途半端な日数になり、
太陰暦と実際の季節の間に、「ずれ」が生じてきてしまうというデメリットがありました。
そのため、新しく作られた暦が「二十四節気」。
月ではなく、太陽の動きをもとに1年を分けた暦です。
二十四節気では、一年を春・夏・秋・冬に分け、
その4つを更に6つに分けて、
自然や農作業を入れて季節を知っていきます。
暦上ではだいたい15日くらいの間隔で季節がめぐり、
季節と暦が連動することで生活や農作業に役立ちます。
日本では二十四節気は平安時代から使われていますが、
春・夏・秋・冬の四季の始まりとして、
立春・立夏・立秋・立冬がそれぞれの季節が始まって行く期間と定められました。
現在、一般的には立春・立夏・立秋・立冬というと各々の季節の最初の日、
という風に知られていることも多いですが、
二十四節気上では立春・立夏・立秋・立冬は「期間」としての意味もあり、
立春は節分の翌日から次の「雨水」と呼ばれる
だいたい15日くらいあとの次の区切りまでの期間を指しています。
まだ寒い2月の頭に立春が来るのは、
この暦が生まれた中国と日本の間に季節差があるから、という説もありますが、
一般的には、「この日から春が始まる」と言う意味で知られていて、
気温はあまり関係しないようです。
また、春が一年のスタートであると言うことから、
立春は今でいう元旦のように大事な日として認識されていました。
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節分と立春と旧暦との関係とは?見分けるポイントや知っておくべき中身とは!
二十四節気は「だいたい」15日くらいの間隔で暦が進みます。そのため、毎年同じ日に立春が来るわけではなく変化するものです。
例えば、2020年の立春は2月4日でしたが、2021年の立春2月3日です。
立春の日が定まるとその前日が節分となるので、
2020年の節分は2月3日、2021年は2月3日と、
節分の日にちも変わります。
節分というと2月3日というイメージが強いですが、
太陽の角度によっては2日にずれることもある、
日付が変動することもある、というわけです。
そして、立春の日が決まると、
冬の終わり、「大晦日」にあたる節分の日も、自ずと決まります。
立春の日ありきで、節分の日も決まる、ということになります。
何度もお伝えしているとおり、
「立春」とは、二十四節気上での1年の始まりです。
そして、旧暦のお正月である「旧正月」(または「春節」)も
同様に、「1年の始まり」として知られています。
この二つはとても近い時期に在るのですが、同じものではありません。
旧暦は月の満ち欠けを基準にした太陰暦をもとにしていて、
旧正月と呼ばれる日は旧暦をもとにした暦の上での1月1日です。
しかし、立春は太陽の動きをもとにした二十四節気での新年です。
どちらも同じ「新年」を表しているのに日付が異なるので、
少し混乱してしまいますが、根本的な部分にある暦が全く異なるのです。
旧正月と立春は、同じような時期に在りながら、
旧正月が先に来たり、立春が先に来たり、時には無春年と言って
旧暦の1年間に立春が訪れない年もあり、毎年それぞれの時期がずれています。
しかしながら、全く別のものである立春と旧暦の旧正月は
30年に一度重なる年もあり、重なる年は「朔単立春(さくたんりっしゅん)」と呼ばれ
とても縁起が良いと言われています。
まとめ
節分・立春・旧暦/旧正月、これらは普段馴染みのある言葉でありながらそれぞれの意味をチェックすることはあまりないかと思いますが、
理解できたでしょうか?
旧暦は月の満ち欠けを元にし、二十四節気は太陽の動きを元にしている、
昔の人たちは自然とともに暦を刻み、
自然の動きや季節と連動した暮らしをしていたのだなと思うと
カレンダーに記載されている暦の一つ一つがとても奥深く感じますね。
普段はあまり意識することがない教養の一つかと思いますが、
頭の片隅にでも残していただければ嬉しいです。
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