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体重が減ると体力がなくなるってホント?!

体重が減ると体力がなくなる
体重が減少すると、筋肉量が減り、体力も低下し、動くことが難しくなります。日常の活動が減少し、これにより体重がますます減少し、体力が低下する悪循環が生じます。この悪循環を断ち切るためには、何らかの方法で体力を回復させる必要があります。

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体重減少の原因は?


痩せたんじゃないかと聞かれることは、ダイエット中の人にとっては喜ばしいものですが、思わぬ病気が潜んでいることもあります。まずは体重減少の主な原因について説明していきます。

体重減少のしくみ

人の体は、水分や塩分などの体液、タンパク質や脂肪などの組織、ミネラルなどから成り立っています。摂取した水分や塩分、ミネラルは直接体内に取り込まれ、食物中の炭水化物、タンパク質、脂肪はそれぞれブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸とグリセリンに分解されて吸収されます。ブドウ糖は呼吸によって酸素と結びつき、エネルギーを生み出し、アミノ酸はタンパク質に、脂肪酸とグリセリンは脂肪に変換されて筋肉や臓器を維持します。余ったブドウ糖はグリコーゲンとして蓄えられますが、使われないと脂肪に変わり、脂肪組織に貯蔵されます。ブドウ糖やグリコーゲンが不足すると、筋肉や脂肪は分解され、必要なエネルギーを供給しようとします。この代謝プロセス全体を維持する仕組みを「代謝」と呼びます。体重減少は、摂取した食事から代謝過程で消費されるエネルギーとの不均衡が生じ、エネルギー不足が起こることにより引き起こされます。また、水分は体重の三分の二を占めるため、脱水症も急激な体重減少を招きます。

栄養摂取量の不足

偏食や歯周病、義歯の不具合などによる咀嚼障害があると、栄養不足が起こり、体重減少につながります。好き嫌いをなくし、栄養素の不足を知り、補うように心がけ、歯科の定期検診もおすすめです。神経疾患や加齢による嚥下障害もまた、体重減少を引き起こす可能性があるため、対策が必要です。

消化・吸収不良

食物が食道を通り、胃で胃酸にさらされ、膵液の分泌や胆汁による脂肪の分解が行われた後、小腸から吸収されます。栄養が体内に適切に取り込まれない場合、胃腸の疾患が主な原因となり、体重減少が起こります。食欲不振、腹痛、下痢などの症状がある場合は、消化器内科を受診することが重要です。

代謝・内分泌異常

ブドウ糖は全ての細胞の活動を支えるエネルギー源であり、「ガソリン」とも言えます。しかし、細胞に取り込むためにはインスリンが必要であり、インスリンが不足するとブドウ糖が細胞に入り込まず、エネルギー不足が生じます。これが糖尿病による糖代謝障害であり、食欲亢進と体重減少を引き起こします。血糖値の上昇や多尿、口渇、多飲などの症状がある場合は、すぐに代謝内科を受診するべきです。抗利尿ホルモンの分泌不足による尿崩症では、多尿や口渇が見られますが、食欲の変化は通常ありません。手の震えや動悸がある場合は、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などが考えられます。
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炎症性疾患などによる消耗

結核や慢性関節リウマチなどの炎症性疾患や、悪性腫瘍による消耗状態では、体重減少が見られます。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、酸素供給が不足するためエネルギー生産が不足し、体重減少が生じます。微熱や息切れなどの症状がある場合は、専門医の診察が必要です。

サルコペニア・フレイル

最近では、老化による筋肉減少症であるサルコペニアや、可逆的な虚弱状態であるフレイルが注目されています。50代以降では筋肉量が徐々に減少することが分かっており、適切なタンパク質摂取と運動が必要です。有酸素運動は筋肉の異化を招くため、適度な無酸素運動(筋トレ)が筋肉を維持するのに効果的です。食事の制限と運動の不足が続くと、筋肉の減少が進み、体重減少からサルコペニアになり、さらに体力低下がフレイルに進行する可能性があります。また、筋肉は水分を保持する働きもあるため、筋肉の減少は脱水症の原因ともなります。良質な栄養と適度な運動で、サルコペニア・フレイルの予防を心がけましょう。

「体重減少」に焦点を当て、代謝や内分泌の観点から解説しました。体重は健康の指標であり、理想体重を意識して、異常を感じた場合は早めに医師に相談することが重要です。

次に「筋肉不足」について注目していきたいと思います。

体力の低下の裏には「筋肉不足」が隠れている可能性が


歳を取ると体力が衰えるのは仕方ないのかと思っていませんか?疲れやすくなり、息切れが早くなることが40歳頃から感じられるようになるかもしれません。そして、50歳になると急激に体力が減少することがあります。しかし、「歳だから仕方ない」と諦める必要はありません。実は、体力はまだ取り戻すことができるのです。

20歳頃が体力のピークで、その後50歳から急激に低下します。体力を取り戻す鍵は「筋肉」にあります。筋肉は成長と共に増加しますが、特にふだん運動をしない人は毎年約1%ずつ減少し、70歳になるとピークの約半分にまで減少します。50歳を過ぎると疲れやすく感じるのは、この「筋肉の減少」が影響している可能性があります。

女性の年齢ごとの体力・身体機能のグラフを見ると、体力のピークは20歳頃で、その後急激に低下しています。「活動的な人・運動をしている人」は運動によって回復し、急激な低下を防ぐことができますが、「活動的でない人」は要支援・要介護になる危険性があります。

体力の正体は筋肉であり、使わないとすぐに衰えます。下半身や体幹の筋肉が減ると、歩行に支障が生じ、動くのが難しくなります。運動をしない生活を続けると、筋肉は急速に衰えます。実験では、3週間もベッドから下りない生活をした人の下半身の筋力が20%も低下していました。これらの筋力の低下は転倒しやすくなり、将来的には自力で歩くことが難しくなる可能性があります。

年齢が上がっても筋力は高められます。80歳や90歳になっても、適切な強度のトレーニングを続ければ、筋肉量は増加し、筋力が回復することが研究で示されています。筋肉の機能を向上させるのは「遅い」ということはありません。いつまでも歩ける体や動ける体を保つために、下半身と体幹の筋肉を鍛えることが大切です。

まとめ


体重減少に伴う体力低下の原因には、栄養不足、消化不良、消耗性疾患、そして筋肉不足などが考えられます。

体力を取り戻すためには年齢とともに減少する筋肉を増やすことが重要です。タンパク質を摂取し、筋トレを行うと筋力や肺活量が向上し、体力がつきます。何歳になってもトレーニングを行えば筋肉をつけることができます。




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