コーヒーの酸味が苦手な方向け！銘柄と種類と飲み方

コーヒーの好みは人それぞれで、苦味が好きな方がいれば酸味が好きな方もいますよね。

コーヒーの味わいを形成する要素には、「苦味」「甘み」そして「酸味」があります。米国スペシャルティーコーヒー協会では、これらの味わいだけでなく香りやコク・キレなど様々な要素に基づいてコーヒーを分類するためのガイドを提供しており、何十もの分類が存在します。

日本では、比較的酸味のあるコーヒーは苦手という声をよく聞きます。アミノ酸やグルタミン酸といった酸は旨味の源である一方、コーヒーにおいては酸味を嫌う人も多いようです。

実際のところ、「酸味」は何故生まれるのでしょうか。今回は、そんなコーヒーの酸味の原因や、酸味が苦手な方向けのコーヒー豆の選び方、酸味を抑える方法などについてご紹介します。

コーヒーの酸味は何故生まれるのでしょうか？

普段見かける茶色く乾燥したコーヒー豆からはピンとこないかもしれませんが、コーヒーは元々果物です。熟した赤い実は甘酸っぱく、産地の子どもたちのおやつ代わりにもなっているそうです。焙煎する前の「生豆」を噛んでみると（※衛生上、洗った方が良いという意見もあります）、わずかに甘みや酸味を感じるとも言われています。また、焙煎によっても酸味の出方が変わります。

コーヒーの生豆にはもともと、「キナ酸」「リンゴ酸」「酒石酸」「クエン酸」など複数の酸が含まれています。焙煎の過程では豆に含まれる「糖」も酸に変化します。そして焙煎が進むと、酸も分解されて徐々に減っていきます。このため、浅煎りのコーヒーは酸味が残り、フレッシュでキレのある風味がありますが、深煎りになると酸味が消え、苦味やコクが強調された重厚な味わいとなります。

酸味が苦手な方向け・コーヒー豆の種類や銘柄の選び方

酸味が少ないコーヒーが好きな方には、やはり深煎りのコーヒーがおすすめです。コーヒー豆専門店では、焙煎度合いを8段階に分けることが多く、深煎りは、焙煎度合いの強い方から、

イタリアンロースト
フレンチロースト
フルシティロースト
シティロースト

が該当します。また、産地や加工法によっても豆の酸味の強さは異なります。例えば、インドネシア・スマトラ島産の「マンデリン」は、酸味が少なく、大地のようなコクがあるとして人気の銘柄の1つです。

コーヒーの酸味を抑える・消すための方法はある？

「コーヒーの酸味が苦手…」と感じる方は、あらかじめ深煎りの豆や酸味の少ない産地・銘柄の豆を選ぶのが一番ですが、購入した豆が思ったよりも酸味が強かった場合はどうすればいいでしょうか。

そんな時は、挽き方や抽出で多少酸味を抑えることもできます。コーヒー豆の味の成分はそれぞれ、

酸味…比較的抽出されやすい
苦味…やや抽出に時間がかかる

という性質を持っています。そこで、

豆を細かく挽く
高温のお湯を使用する
ゆっくりと抽出する

などの工夫でより苦味成分を引き出せば、相対的に酸味の主張を抑えることが期待できます。

酸味の強いコーヒーが好きな方には

一方で、「コーヒーの酸味が苦手」という方も、新鮮な浅煎りコーヒーを飲むと、その香り高さや風味の良さに感動することがあります。質の良いコーヒーの酸味は、思っていたような嫌なものではなく、むしろフレッシュでおいしいと感じる方もいます。

そんなさわやかな酸味がある浅煎りコーヒーには、次のような産地・銘柄がよく合い人気です。

キリマンジャロ（アフリカ・タンザニア）
モカ（中東エチオピア・イエメン）
コナ（アメリカ・ハワイ）

酸味が苦手という方は、思い込みという可能性もありますので、機会があればこれらの浅煎りが合う豆にもトライしてみてはいかがでしょうか。フレッシュで香り高いコーヒーが楽しめるかもしれません。

コーヒーの酸味、味わってみたくなりませんか？

コーヒーは嗜好品です。皆さんそれぞれ好みの味があると思います。
ですが酸味が苦手だと思っていた方も、苦いコーヒーが好きな方も、時にはフルーティーな美味しい酸味のあるコーヒーを試してみるのも良いのではないでしょうか。もしかしたら新しい出会いがあるかもしれませよ。

コーヒーの酸味が苦手な方向けのまとめ

酸味が弱い銘柄を選ぶ: コーヒーを買う際は酸味が弱い銘柄を選ぶようにしましょう。酸味の少ない代表的なコーヒー豆は、インドネシア産、グアテマラ産、ブラジル産などです。

苦みが好きなら深煎りの豆を: 浅煎りにしたコーヒーは基本的に酸味が強くなるので、苦味が好みであれば深煎りでコーヒーを作ると良いでしょう。
ただし、酸味が弱い銘柄を選んだとしても浅煎りで煎れてしまうと意味がありませんので注意してください。

高い温度のお湯で入れる: 一般的に、お湯の温度が高いと、酸味を感じにくくなる傾向があります。酸味に抵抗がある方は、温度が高めのお湯でコーヒーを作ってみてください。

古くなったコーヒー豆を使わない: 古くなったコーヒー豆を使わないようにすることで、酸味を避ける一つの手段です。購入後に日が経つほど、コーヒーの酸味は強くなります。
また、コーヒーを良い状態で保存するためには、直射日光に当てないようにすることや、高温状態にならないようにすることなどに気を付けてることが大切です。